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#006 ばんがいち1995年7月号
written by 華戸小葉子

和田アキコのハウスはいいぞ! 企画物っぽくない自然な仕上がり。下で紹介した福富幸宏の旧譜もアルファから再発になってます。
【RAINBOW RACE】オリジナル・ラヴ
1.ブロンコ
2.ダンス
3.ユア・ソング
4.夢を見る人
5.流星都市
6.夏着の女達へ
7.ホモ・エレクトス
8.ミア・マリア
9.ミッドナイト・シャッフル
10.バード

total time: 55'26"

 一時「オレは渋谷系じゃねえ!」発言で話題をまいた田島貴男の新作。ジャケ写は71年の作だそうだ。中はケースの色から真黒。ポニキャンお洒落。それはともかく、ここ数年のジナラヴは確かに渋谷系をはなれてきている。今回最もそれが良く出てて、95年の日本でこんな音楽やってんの彼らしかいないと言い切れる。ラテンテイストの泥臭いのが好きな方はどうぞ。しかし、昔のファンはどうしてるんだろう。同じ頃東芝からベストが出たが、これこれっ、このモロ渋谷系が好きだったのよー。田島は自分のやりたい音楽と売れる音楽にギャップが出てきたら、迷わずやりたい方とるだろうな。そろそろ古いファンははなれていくだろう。それでもついてく唯一のオリジナルメンバー木原龍太郎って凄い。
ポニーキャニオン PCCA-00741 \3000  1995/05/19

【STRAIGHT 2 HEAVEN】STRAIGHT 2 HEAVEN
1.ダブル・オー!ヘヴン(ヒア・ウィ・ゴー・ミックス)
2.アテンション!4アヴァント
3.ソー・ポジティヴ・ユー・アー
4.EFIL OT KCAB
5.ア・センサード・ナイトメア
6.ストレイト・トゥ・コーダ

total time: 24'02"

 田島が黒ならこっちは赤だ。箱も中もCDも真赤。インストなのにゴーカな天使や鳥や雲や花や地球の写真入り(内容とは関係ない。多分。曲目見る限りでは。インストなので)。さて、このアルバム窪田晴男(GIRL GIRL GIRL)が絡んでるけどテクノである。渋谷系と間違って買った人、いたりして。でも、間違ってたけどハズレじゃなかったと思う。個人的な事を書けば、私の中のテクノはYMOで止まっていた。でも、これはいい。素直にはいれた。もうちょっとクドくてもと思うくらい。まあデビューアルバムということで。今じゃ電グルの方がよっぽどハードだな。しかもそれで中高生踊ってるし。うん、こういうの一人部屋で聴いてるのもったいないよね。電車の中もちょっと。やっぱクラブか。大音量照明付で。そうすりゃノンアルコールノンドラッグでもトリップできますぜ。
徳間ジャパン TKCL-70573 \2300  1995/04/25

【THIRD】福富幸宏
1.4カラード・ガールズ
2.99グルーピーズ
3.50ウェイズ
4.カム・2・ホーム
5.30385
6.2アナザー・ランド
7.ペグ
8.5ブラインド・ボーイズ

total time: 56'45"

 NHKの日本ロック大全集を見ていてやっぱり日本で一番有名なインスト物ミュージシャンはYMOなんだろうなーと思った(何故ロック番組にYMOが…)。そして彼らに続くインスト物は、テクノ以外でもまだない。YMOのドラマーと同じ名を持つ福富幸宏はハウスの人である。これが3枚目であるが昔のアルバムはどこ行ってもない。それだけインスト物って根付かないんだろう、残念ながら。でも今回小西康陽かんですし、一応タイアップもついてるし(NHK「おしゃれ工房」何故ハウスを…)、間違って売れないかな。スカパラ系でもゴンチチ系でもない新たな一派として。他ミュージシャンのリミックスもいいけど、ここらで本腰入れて活動するのは? ライヴやるとか。ずーーっと繰り返される同じフレーズ。8曲なのに60分。だのにこの緊張感は何だろう。この気持ち良さは何だろう。
徳間ジャパン TKCJ-70572 \3000  1995/04/25

【若き日のヘンリー・マンシーニ】ヘンリー・マンシーニ
1.サマー・ラヴ
2.ソックス・ホップ
3.ウォーキン・ザ・ロック
4.ディガリング
5.ナイト・ウォーク
6.ボッピン・アット・ザ・バッシュ
7.カリプソ・ロック
8.ジェニー
9.クレイジー・チックのテーマ
10.ソフト・タッチ
11.サド・サックス
12.ソー・グッド・ナイト
13.フリー・アンド・イージー
14.ホット・ロッド
15.ダーク・ブルー
16.ジューク・ボックス・ロック
17.ヤング・ラヴ
18.ビッグ・バンド・ロックン・ロール

total time: 37'20"

 というわけで今月はインスト物が3枚(これちょっと歌はいってるけど)。この季節にはやっぱ歌なしですよねー(←こじつけ)。さてヘンリー・マンシーニといえば「ムーン・リバー」に「シャレード」「ピンク・パンサー」といった、様々なスタイルの映画音楽を世に送り出した、まあはっきり言ってその音楽性のつかみどころがない人である。もっと言ってしまえば筒美京平(あ、怒らないで。筒美京平には「バカラック調ビートルズ」とか渋いアルバムもあるんだから)。そう、何でも書けてどれ聴いても良くて、しかも親しみやすい☆このアルバムは古き良きアメリカにタイムスリップ。オールディズに飽きた人でもこれならOK。やっぱBGには歌なしですよねー。というわけで純文学的私小説的あるいはモノクロ映画的重い歌詞バリバリの次のアルバム紹介につづく。
MCAビクター MUCM-22055 \2200 1995/03/24

【トリプル・バレル】トーキョーNo.1ソウルセット
1.黄昏'95〜太陽の季節
2.ジャイヴ・マイ・リヴォルヴァー
3.ダンシング.マッシュルーム
4.0'TAY
5.もう少しだけましな理由
6.モア・ビッグ・パーティ
7.エレファント.バンブ
8.オクラホマ・スタンビート
9.ロマンティック伝説
10.|>(プレイ)
11.27,8

total time: 49'50"

 やっぱポエトリーリーディングは日本語じゃ辛いよな。その点彼らのやり方は日本人に合ってる。「港のヨーコヨコハマヨコスカ」「母に捧げるバラード」つまり語り+サビが歌。ウエーブHMVタワー1位、各誌大絶賛! なのでここではホメない。まず、いい曲とはいえ何故昔のアルバムの曲も入れたのか。今でも手に入るのに(再発されたし)。それから9。歌詞カードを見るとこれだけ浮いてる(ソウルセットの曲って歌詞カードみるよね?)。他の詞は日常的というかリアリティがあるがこれは小説。好きだけど。それとも他の詞も作りごとなのか(曲は浮いてない)? 最後に8のインスト。ここに一曲じゃバランス悪くないか。川辺ヒロシ・ソロインストアルバムなんて聴いてみたいぞ。と、これらを差し引いてもまだ120パーセントの出来なので、絶対買って損はない。迷ったら買え。買って聴け。
江戸屋レコード EDCR-30005 \3000 1995/04/21

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