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あまり嬉しくない予想だけど
シメキリを遅らせていたら、スペースを少しカットされてしまった。早速本題に入ってセ・リーグのペナント展望のつづき、「それでも巨人が優勝に一番近いところにいる理由」であるが、GW中に”現在プロ野球界屈指の低レベルの戦いぶりをみせてくれるチーム同士の戦い、横浜─巨人戦”を観ていたら、すっかりイヤになってしまった。こんな戦い方をするチームを優勝候補にしなくてはいけない事が、である。念のため断っておくが、両チームとも個人技においてゼニのとれる選手はもちろんいる。松井の打撃や佐々木のピッチングは文句なく一級品である。しかしながら5月の4・5日、日ハム─オリックス戦や阪神─広島戦を昼間観てから夜に横浜─巨人戦を観た人は、ひとしく皆ガッカリしたに違いない。デタラメな采配、見るべきところのない守り…。4日の神--広戦、キャッチャーがはじいたためにアウトにこそならなかったがセ界の盗塁王・緒方の本塁突入をあわや封ぜんとした新庄の守備と肩。4日・5日連日魅せてくれたイチローのスーパーバックホーム。特に5日のそれは同点になる走者を刺したものだけに貢献度もバツグンだった。つくづく野球は走・攻・守の三部門でなりたっているんだなあ、と納得させてくれる。少し話はとぶがナンバー4/17号「メジャー通の超有名人による大予報」でイチローのコメント”お金をかけて、打つだけのチームだからヤンキースは好きになれない”というのは日本で言えば(笑)。もはやあの銭ゲバチームはプレイを観るよりもスタンドで旗をふる事のほうが大切である、という感性のヒト及びそれに類したヒト以外には嘲りの対象でしかあるまい。話もどって、この2試合のそれぞれのベンチの采配はひどかった。よりひどかった長嶋巨人が連敗したが、タメ息ばかりつきながら観戦しなきゃならないというのは仕事とはいえシンドいものである。4日の試合、いくら左対左とはいえまだ5回同点の無死満塁に清水に代打を出すのはどういう了見なんだろう。この試合のそれ以降の展開予想(あと2回は打席がまわってくるだろうである事や横浜の中継ぎにもういい左はいないという事)から考えても、また清水という伸び盛りの選手の将来を考えても、左で脚も速く併殺打は比較的考えにくい(今シーズンここまで清水の併殺打は0)という点から考えてもここでの正解は清水にそのまま打たせる事だろう。また7回に投入した川口が不調で鈴木尚、駒田に打たれ同点にされなお代打で右の畠山が出てきた時に川口を続投させたのもよくわからない。ここで勝ち越されたら佐々木が出てくるのは誰にでも予想がつく事で、そういう展開に持ち込まれないためにもここは川口には見切りをつけるべきだったろう。TV観戦をしていた人はみんな見たと思うが、畠山に打たれた後リリーフに指名された西山は、投手交替のアナウンスが流れてからあわててブルペンのマウンドへむかい、グローブをはめるヒマもないほどあわてて投球練習を行っていた。ブルペンキャッチャーからの返球をどじょうすくいのザルのようにグローブを両手で持って受ける西山の姿は、様々な展開を予想しそれに対応するための手を打つ、というベンチワークの不在をこっけいに証明していた。面白うて やがて悲しき野球かな。
それでも巨人が優勝候補なのは、ひとえにその戦力のぶ厚さ故である。普通のチームならば去年の勝ち頭二投手が故障・絶不調の上に新外国人選手が大ハズレ(ルイス・夏の観光シーズンが始まる前に帰国用チケットを買っておいたほうがいいだろう)だったら優勝どころかAクラスもとうていおぼつかないだろう。更に監督もアレである。しかし巨人に焦りや動揺はあまり見られない。なぜか。体力差に絶対の自信を持っているからである。長いペナントレース、去年の広島を思い出してもらえばわかるように必ず息切れするタイミングというのはある。人間がプレイしている以上それは当然で、各チームの監督はだから夏場をいかに乗りきるかを大きなテーマとしてペナントを戦うものである。過去の名監督といわれた人々の著書を読むといかに夏を乗りきったかという描写がそこかしこに出てくる。もちろん他のチームにも平等に夏はおとずれるので、監督としてのウデの見せ場でもあった。この事を骨身にしみるほど知っていたのは他ならぬ巨人軍関係者だったろう。このコラムを創刊時から通して読んでいる人は思い出して欲しい。巨人の優勝パターンというのは唯一開幕からのぶっちぎり、ロケットスタート(笑)であった事を。夏以降のせり合いになる展開では必ず敗れさっていた事を。つい3年前の94年、一時は2位にふたケタのゲーム差をつけて独走していた巨人が夏場に誰ひとり主力に故障選手が出たわけでもないのにズルズルと負け続け、前代未聞の「上が落ちて来て混戦」ペナントレースになった事を覚えている人は多いだろう。客観的に見たらこんなバカバカしい優勝争いはなかった。なにしろ、優勝を決めたチームに(少なくともその時点で)何の強さも感じなかったのだから。このコラムを初めて読む人も”ああ、あの時の”と思い当たる人は多いだろう。巨人軍関係者はよーく覚えているハズである。この時に長嶋の無能さは100%証明されたのだから。無定見・無見識な監督だからこそこんな結果になった。そしてそれ以降の巨人の狂ったような選手の買い漁りがはじまったのである。カネで揃えた選手で一年を通して戦えるチームをつくる、というのは正にFA制度の本来の趣旨からもかけ離れたやり方といわざるを得ないだろう。ただし有効である事は証明された。プロ野球人としての恥さえ知らなければ、であるが。
結局この方法論に打ち勝つだけのバランスを持つチームがないのではないか、というのが小生の見解である。ヤクルトはやや打が弱いし、広島は投が弱い。中堅どころの投手を大量解雇して若手の伸びに賭ける、というアイディアは大変面白いが…。中日は今中が帰ってこないと話にならない。ドーム対策ももうちょっと、の感がある。阪神は大穴になれる可能性は出てきた。6連敗した時も負け方は決して悪くなかった。前回優勝争いにからんだ92年も、その前の年は最下位だった事を思い出す。横浜は…横浜は…独自の戦いになりそうだが、台風の眼に徹するべきだろう。
今月はここまでで、次回は清原を例にようやくFAとドラフトの問題へもどる。
※この号は本文中に読者プレゼントの告知があったため、文章量が若干少なくなっています。冒頭にあるスペースカットはそれを表しています。
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