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1995年9月号
written by 来素果森

もはや日本の恥と化した読売巨人軍のことについて

 あらかじめ断っておくが、このコラムは一部マスコミに見られるような、”巨人たたき”をする事によっていわゆるアンチ巨人の人に読んでもらおうといったような戦略のもとに書かれているものではなく、したがってためにするような論の進め方、問題の取り上げ方は全くしていない。全て客観的かたすプロ野球界全体を考えた広い視野で論を張っている----少なくとも筆者はそのつもりである。それはこのコラム自体が持つ説得力で証明出来る事であると思う(マトモな、筋の通った反論大歓迎。編集部まで)。なぜこんな事をわざわざ冒頭に書いているかというと、7月に入ってからの巨人というものはあらゆる面で許し難いものがあり、これから書く事実をもとに客観的に書いた事がバッシングと読み取られてしまうと困るからである。あくまで以下に書く事はこのコラムのタイトル通り、”まっとうな見方をすればこう書かざるを得ない”内容である事をあらためて確認しつつ読んでもらいたい。

 以前ここで書いた事もあるが、プロ野球関係者の中では全くの常識とされている”審判の巨人びいき”。巨人以外の全ての球団の選手はおろか、巨人ひと筋の選手でも引退したものは認める事実で、全く公平なジャッジメントが行われていると考えている人は、日本の政治家は全て青島と同じように法定選挙費用内で選挙戦を戦っていると思っている人と同じくらいきわめて純粋な人しかいないだろうけど、それにしても7月8日の対阪神戦、例の9回表のジャッジはひどすぎた。何回もTVでも放映されたし、新聞にも写真が掲載されたのであれが本当にアウトだったかどうかの真実はみんな知っていると思う。代走の三塁ランナーの足がベースにタッチした時、ボールを持ったキャッチャーミットはランナーの足から50cm位上にあった。あのタイミングがアウトと判定されるものならば、村田の盗塁阻止率は100%だろう(笑)。困った、なさけない問題である。あれが誤審するようなきわどいプレイならば仕方ない。もちろんあってはならない事だが人間がジャッジメントをするのだからどうしてもミスは出てくるのはいわば宿命である。広沢もホームランを一本損しているし。しかしあれは、当時の状況を思い出してもらうとわかるがビデオで何回か繰り返して見ても判断しにくいようなきわどい打球であり、審判もまた遠くからしか見る事が出来なかった。誤審、は結果として巨人に不利な判定になる事もあるのだ。ところが今回は違う。主審の目の前で、きわどいプレイでも何でもない明らかなプレイに対するジャッジメントがあれである。もしあれが本当にアウトに見えたのならば仕事への出勤や日常の外出には犬を連れて出かけないとまずいだろう。それはともかく、中立公正な立場で正確な判断をする人が審判だと定義するのなら、彼は審判ではない。早急に転職すべきである。最大限譲歩しても、以上の二条件のどちらかは満たしてないのは明らかなのだから。

 観客も、観ているとそれが誤審なのか不公正な判定なのかはなんとなくピンとくるもので、7月9日付の日刊スポーツによると、同社に殺到した抗議電話のほぼ半分は巨人ファンの「あんな事までして勝ちたくない」「こんな事じゃ日本のプロ野球はダメになる」といったものだったそうだ。普通この手の抗議というものは圧倒的に不利な判定を下されたチームのファンから来るものなのだが、むしろ阪神ファンは「いつもの事さ…」とシラケきり、逆に自分の応援していたチームの勝利は不公正なジャッジメントによるものだったんだ(もちろん、それが全てではないが)、と否応もなくつきつけられた巨人ファンが電話をしてきたという構図がよくわかる。誤審だ、と思ったらそれで勝ったチームのファンから抗議電話が来る事はあるまい。

 紙面が足りなくなりそうなので簡単に触れておくが、故障によりオールスターの監督推薦を辞退したはずの槙原が、そのオールスター戦より一週間近く前の試合に出てきて完封勝利を飾る、というのはどういう事なのだろうか。辞退を発表してからこの試合が行われるまでの間に、未来の世界の猫型ロボットか何かが来て直してくれたんだろうか。信じ難い事態である。まあ、しょせん組織票によって規定打席にも達しないような選手が出場する”夢の球宴”であるが、だからといってこういうあからさまな回避策を取ってくる恥知らずには、何らかの処罰が必要なのではないかと思う。一流選手のオールスター離れは以前から目立つが、ここまで白々しい手段に出るものはそうそういなkった。このままでは、一軍でも二軍でも一球も投げていない新人投手が出場する日もそう遠くないかもしれない。一試合制にするとか、一発賞金の大盤ぶるまいにするとか、何か方法を考えたほうがいい時期だとは思う。だからといって今回の醜行が弁護されるものではないが。

 采配面にうつろう。横浜に3タテをくらった7月16日の試合。6-0から逆転負けをくらったあの試合のことである。7-1でむかえた6回裏の横浜の攻撃、ワンアウト満塁・打者ローズの場面で2日前に先発して5回まで投げた木田が出てきたときには心底おどろいたが、今にして思えばこれはここだけなんとか木田がしのいだら、残り3イニングは他のたよりないリリーフ陣をつないで何とかしよう、というクロウトばなれした作戦だったのだろう。ところが、木田が一発をくらったので最後まで引っぱらずを得ず、最終的な破局へとつづくのだが。この試合を少し詳しく分析してみよう。と書いておいておきながらなんだが、実はライターとしてわざわざ書くような事ではないくらい稚拙な、それこそシロウトにもすぐ指摘できるような内容である事を先に断っておく。
 
 まずその6回。一昨年打点王、昨年勝利打点王と勝負強い外国人打者ローズに対しての村田のリードは初球内角に直球を要求して内にはずれてボール。二球めも内角に直球を投げさせて本塁打を打たれるのだが、正直小生は一瞬だが村田の八百長をうたがってしまった。その位セオリーに合わない。木田がベストの調子でウラをかいての初球内角直球ならまだしも、2日前に先発した木田は明らかに調子悪く事実このゲームの終わるまで3回1/3投げて7安打も打たれていることからもわかるように、明らかに球の力はなかった。(それが投球練習でわからなかったならプロはやめたほうがいい)。何よりも長打がこわいこの場面でなぜ内角直球なのだろう。2球めは更に?で、満塁だから0-2にしたくないこの場面、アバウトなコントロールの木田に内角直球を要求すれば1球めが内にはずれているだけに甘いコースにくるのは火を見るより明らかではないか。どこをどうすればこんなリードになるのか。9回も、併殺取った二死無走者から連打を浴びてあげくサヨナラホームランを打たれるわけだが、連打の二人はいずれも追い込まれてからのフォークを打っていた(疲労でキレが甘くなっていた)。それを見ていた次のバッターが”もうフォークはないな”と判断してストレートに絞って打ちにくる、とは考えなかったのだろうか。信じ難いリードである。

 勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。

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