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| 声が大きけりゃ主張が通ると思ってんのか?
「うるさいッ」(週刊ベースボール『白球の視点』) 御存知ナベツネ(渡辺恒雄読売新聞社社長)の、ドラフト廃止さもなくばリーグ脱退発言に対する各界の反応である。たとえその発言がかなり愚かな顰蹙を買う意見であったとしても、それだけではこれだけの反応にはなるまい。ハッキリ言ってドラフト・フリーエージェント制に関してのナベツネ発言は(実はそれ以外・野球に関係しない事でだもそうなんだがここではそれには触れない)子供のダダ以下。ケッ!バ○が…と顔をしかめて相手にしなければいいにだけど、なにしろ人気ナンバーワン球団の実質的な持ち主で”ボクのイケンが通らなければやめちゃうんだぞ”と足をバタつかせる上に最近もう自分が落ち目で一人だけでは形勢不利とちゃんと読んでて”ボクだけじゃないぞ。せいぶくんやだいえーくんも味方だぞ”と虎の威までしっかり借りる計算高さで、無視も出来ない。全くイヤになってしまうが、これで日本で一番売れてる新聞社のドン。もちろん売れる事と質とはなんにも関係はないんだけど…。それにしてもねえ。まあ、愚痴を言っててもはじまらないのでどこらへんが愚かなのか、やや古いが3月29日の”ドラフト撤廃が受け入れられなかったら新リーグ結成するぞ”発言を検証してみよう。 (1)「いまのプロ野球は、選手を犠牲にしているんだよ。テメエらだけもうけようと思ったら、プロ野球はどんどん沈下してしまうよ」 選手を犠牲にして、給料を安く抑えてなかったけ巨人って?。連続20勝した年にさほどUPせず次の年11勝でダウンにされ抗議した斎藤に”文句あるなら辞めろ! と言い放ったり、原・駒田という主軸打者の年俸をほとんど上げずにお茶を濁そうとしたが池山・広沢あたりがアッサリ大台を超えるのを見てあわてて帳尻をあわせたり…。一番の人気球団でフトコロも暖かいはず。収益の選手に対する分配率は飛び抜けて低いはずで、それが一転選手の味方のような発言をするのはよほど面の皮が厚いのだろう…としかいいようがない。 (2)「ドラフトを廃止すれば企業努力をする。つまらない球団はつぶれます」 もうあらゆる部分でおかしな発言。記憶に新しいところでも南海が、阪急が球団を手放さざるを得なかったのは企業努力をしなかったからだろうか。ともに一時代を築いた球団で、当然そこには強いチームづくりをする企業努力があった。球団がつぶれる(身売りする)のは決してドラフト制度の下で企業努力を怠ってるからではないのだ。だいたいつまらない球団とは何だろう。好き嫌いは別として今の巨人のどこが面白いんだろう。西武のような組織としての強さはなく、近鉄のように個性と個人技に優れたサムライが集まっているわけでもなく、阪神のように次から次へと新鮮な戦力が湧き出てくるわけでもない。正直なところ過去から現在に至るまで巨人が人気球団であり続けているのは親会社がマスコミでTVで全試合中継される…この一点のためだけである。(もちろんV9の時代はまた別だが)。そしてまた実はその点に気が付いてるゆえに、渡辺はじめ巨人関係者は「ゲームのTV放映権のプロ野球機構への完全委託」に絶対反対するのだ。言うまでもなく大リーグではこの種の不公平を避けるため全てのゲームの放映権は大リーグ機構が握っている。公平な土俵の上でそれぞれのチームが個性を競いあうような条件が出来なければ、プロ野球界の健全な発展などと言うのは夢のまた夢である。巨人が確信犯なだけにタチが悪いが、ここは他のチームが巨人人気に媚びる事なく正論を通す事が大切である。 それからドラフト下であっても企業努力により強いチームが出来るのは西武をみれば明らか。ドラフトあるなしと企業努力には相関関係はないのだ。別にこれは大リーグでも、韓国でも、台湾でも、プロ野球ある所全て同じ。 (3)「ドラフトは、人権無視だ」 ならなんで松井を指名した。彼が阪神に行きたがってるのは知ってただろうに。「我が巨人軍は個人の意志を尊重するため当球団を希望しない者は指名しない」事を主張し実行した上での意見ならばまあ一考に値するが、これだけ言行不一致を見せつけられて何の説得力があるんだろうか。 結局今回の一連の渡辺発言の真意は、”ドラフト制度により我が人気・伝統ある巨人軍は思うように選手が集められなくなってしまった。全く制約のない自由競争であればマスコミである我が方は断然有利。たとえ多少年俸が低くてもCM収入分などで取り返せる事は選手も知っとるだろうし(江川・桑田らを見よ)、たいした選手でなくとも知名度を活かして引退後タレント活動もし易い(定岡)事は周知の事実だからな。昔はよかった。人気にアグラをかいていれば好き勝手できたからなあ。ところがドラフト制度をとり入れてからは西武のように本当に球団経営に企業努力をするところが強くなってウチのようにまともな努力をしない所は弱くなってしまった(巨人の練習場がちょっと多い雨が降ると川が増水して水をかぶって使えなくなる多摩川べりンのグラウンドしかなかった事は有名)。なんとか昔の栄光を取りもどせないもんだろうか…。日本のプロ野球は大リーグのような共存共栄型ではなく我が巨人軍が王者として君臨し、他チームはそれについてくればいいのだ。なんとかこのドラフトを廃止するテはないだろうか…。というところにあるのがあまりにもみえすいていて、だからこそ冒頭に挙げたような識者の発言になったわけである。球界の盟主の座…というか過去のように強い巨人をつくりたいのだったらそれこそ企業努力によってチームの力を上昇させる事を考えるべきだ。吉岡コミッショナーの発言はより正確に言えば「負け犬の遠吠え」。つまり西武に勝てないからと言ってドラフトを廃止せよなんて 情けなくも愚かしい意見を主張するのはやめなさい、という事である。 われわれファンもこの事実をしっかり認識し、今後のナベツネ氏の行動を見守ろうではないか。ではまた来月。(文章中敬称略) |