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1993年5月号
written by 来素果森

スポーツ新聞より100倍正しく役立つコラム

 ヨイショ記事ばかりが目立つスポーツマスコミに対対抗して事実と客観的判断で真実に迫るのがこのコーナー「月刊まっとうスポーツ」。プロ野球を中心に、クールな予想と分析で対象物を裸にします。第1回めの今回は月並みながら重要な「93年ペナントレース大予想」。王者西武はチャンピオンフラッグを守れるか? 長嶋巨人は復活できるか? あなたの疑問にお答えします。

 <セ・リーグ>
 去年の優勝チームヤクルトがほんの少しリード、あとは広島・阪神・巨人が小差で 追う展開。

 パに比べるとはるかにむずかしい。が、ヤクルトが首の皮一枚優位か。古田・池山・広沢・ハウエルと3割30発を期待できる打者が4人もいる攻撃面は、斬り込み隊長である飯田がやや順調さを欠いているとはいってもやはりリーグ随一。投手陣も先発グループは期待の新人・伊藤や今年に復活をを賭ける川崎が去年のスタッフに加わって一応頭数は揃った。ただ、先発用左腕の加藤が肩の手術で今年は使えない上に石井が壁に当たっていて”使える左腕”がいない点と相変わらずストッパーが見当らない点は大きなマイナスポイント。野村監督は今年もこの点では苦労しそう?

 広島は特に打の面で有力な若手が育ってきている。前田、町田、江藤…そして野村。これに脂の乗りきった正田や小早川が加わって組む打線はなかなかあなどれない。欲を言えばやや確実性は低くても一発のある打者が一人欲しいところで、新外国人選手メディーナがその役を果たせる場合にはこのチームは強い。ただここも問題は投手陣で去年引退して今年から二軍のピッチングコーチになった川端の現役復帰が真剣に検討されるほどピッチャーが足りない。やや伸びなやんでいる足立、石貫、秋村らがどの位成長するかがポイント。ストッパーの大野も今年で38才になるだけに過信してると思わぬ大崩をする場合もある。

 去年は突然大変身して優勝争いに最後までくらいついた阪神は適切な補強をした。昨年は防御率が2点台だった湯船、仲田、中込の3投手がそれぞれ3・2・1勝しか勝ち越せなかったように打撃陣の弱さが大きなウイークポイントだったが松永の加入により打線の厚みがだいぶ増し、もし3人が去年並みの活躍が出来たならば15勝は勝ち越せるのではないか。投・攻・守のバランスの良さではリーグナンバーワンで優勝候補の一番手に挙げても良いのだが、それはあくまで主力選手が去年並みの成績をあげた場合。投手陣も新条・亀山などの若手野手も去年突然好成績を残した選手ばかりで今年もその通りにいくかどうかはやや不安が残る。確実に期待出来るのは八木と両外国人ぐらいで、それ以外はより成長も見込めるけれど壁につきあたる可能性もある選手 ばかり。それをどう乗りきるかが問題だ。

 長嶋監督を再びむかえて人気が盛り上がる巨人。ここ10年近く”開幕ダッシュできれば優勝、競り合えばダメ”というパターンが続いているが、今年も同じ展開ではないか。大物助っ人バーフィールドが実力を発揮すれば開幕から突っ走る可能性有りと見る。駒田・原・モスビーが誘発されて打ちまくるようなパターンが出来れば強い。ただ某紙がスッパ抜いたようにバーフィールドの来日目的が「リハビリさ」(地元のTV局になぜ日本に行くか、と聞かれて)というようではやや不安。残念ながら今年もここ一番に弱い体質は変わらないだろうから開幕ダッシュが全て。一番のポイントは捕手である事は周知の事実だが、村田や大久保がレギュラーになるようだったら森や野村の高笑いが聞こえるようだ。

 中日と横浜はともに投手陣がやや弱い。中日はまちがいなくセリーグNo.1左腕の今中や山本あたりまではいいのだがあと勝ち越せる投手は誰か? となるとやや心もとない。ただ近藤とか上原とか化ける可能性のある投手がいるのでひょっとしたら…はあるが。横浜は盛田が元気で中山がいたらなあ、というところ。確実に勝ち越せる投手が思い浮かばず、優勝まではきびしいだろう。

 <パ・リーグ>
  ズバリ西武と近鉄の一騎討ち。他チームが一時的に浮上しても優勝まではきびしい。強いて挙げるならタネルが一昨年の調子に戻ったらとの条件付きでダイエーが面白いか。

 選手の高齢化やデストラーデの穴がクローズアップされる西武。しかし骨の髄まで勝ち方を知っているチームだけに大崩れはないだろう。新人の杉山も戦力になりそうだし、主力の思わぬアクシデントがない限りは当選優勝争いの筆頭。ただし伊東が故障した場合、代わるべき捕手がいないのがウィークポイント。ライバルの一番手である近鉄に強い渡辺智に復活のきざしが見えないのも不安材料ではある。新旧交替がスムースに進むかどうか、知将・森の腕の見せどころである。

 一方の近鉄は明るい話題が多い。阿波野・山崎に復活のきざしが見え、小野や佐々木の出遅れが問題にならない位投手陣が充実。野茂を中心に鉄壁のローテーションが組める。新人の小池も使えそう。打つほうでもブライアントと石井を中心に重量級の打者が揃い迫力十分。はっきりいってセリーグにこのチームがあったらダントツの優勝候補なのだが…。落とし穴は細かい攻めと守り。オープン戦でもつまらぬエラーやバントの失敗が目立った。この点を早く直していかないと西武を越えるのはむずかしい。しかしこういう問題点はオープン戦のうちに出て来てよかった、とも言える。去年より確実に西武との差はちぢまった。

 冒頭にも書いたように他の四球団は、あるいは2位にはくい込めるかもしれないが優勝まではむずかしい。オリックスは星野以外の投手が頭数はそろってるがいま一つ信頼がおけないし、日ハムは打線が弱い。ロッテは投打とも力不足。正直なところ今年の優勝をつゆほども狙ってないダイエーが、若田部・村田・吉田に加えタネルの復活、及び井上・加藤・江口の中から一人化けてくると面白い存在になりそうだ。  という訳で最後に私なりのペナント予想をして第一回は終り。

 <セ・リーグ>
 
(1)ヤ(2)広(3)神(4)巨(5)中(6)洋
 
<パ・リーグ>
 
(1)近(2)西(3)ダ(4)オ(5)日(6)ロ

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