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1999年1月号
written by 相田智久

今月は、女の子が水に飛び込む話が中心です。寒いのに? 

 98年度、秋の番組改編期のトピックとして「榎本加奈子・セーラー服水槽事件」を挙げておきたい。日テレ系の新番組宣伝スペシャル、クイズコーナーでそれは起きた。商品のかかったクイズに答える為、榎本が魚の泳いでいる水槽に、セーラー服のまま飛び込んだのである。

 絵柄的にVシネマの企画じゃないかと言われればそれまでだが、ある程度名前の通ったタレントの行動であり、テロップでわざわざ煽ったように、確かに地上波としては衝撃があったと思う。勿論、土・9枠の新番組『プライベートアクトレス』に主役を張る彼女のパブ行動だしその衣装で入水している事からシナリオがあったのは分かるが、自分のキャラを良く活かした点で評価できる。

 惜しいのはパンツ(笑)を見せなかった事。考えて欲しい。ミニのセーラーで頭から飛び込んでいるのだ。下着が見えない方が不思議だ。予定の行動だったのでブルマで対応したのだが、画竜点睛を欠く。アンダースコートで良いから白=下着の最大公約数の色を見せておけば、下着(らしきもの)が見えた・水に入る準備をしていない・本当に、自分の意思で水槽に入った・というリアリティが生まれただろう。普通の視聴者はビデオで繰り返しチェックなんてしないから、本物の下着である必要はどこにもない。度胸は買えるだけに、ややツメの甘い部分が残念であった。

 さて件のドラマ『P.A.』は『おそるべしっ!!!音無可憐さん』に続く、榎本二本目の主演作。前作のコスプレギャグから一転、「日テレ土9」らしいミステリータッチでスピーディーな展開の作風となった。この枠独特の異様なカメラアングル、コントラストの強い照明等、ケレン味が効いた映像と相まって、仲々楽しめそうである。

 榎本自身の演技力は急激に伸びたとは言えないが、クールでややヒネた部分を持つ主人公キャラが本人の地に近い事も有り、役柄のマッチングが良く、水準を保って安定している。設定上、劇中で色々な人物を演じ、様々な衣装を着るが、実はコレ作風の違いこそあれ、前作のコスプレ演技に通じるモノがある。ビデオを保存している人は、観比べてみるのも一興だろう。又、この時間帯には三浦理恵子が一貫してゲスト出演をしている。(今回は裏切られる看護師役)。この辺りに一定の人脈の存在が感じられ、面白くもある。

 なお同回には元LiPSの加藤貴子も隠れキャラ的に出演していた。ベテランファンを唸らせるキャスティングである。

 え、今月ご紹介のグッズはビデオです。ホリプロ、ピュアガールの中から奈良沙緒理と三津谷葉子をピックアップ。『Pure Girl DUO』であります。

 サイパンあたりの南国ロケ、基本的には二人で遊んでる作品ですが、久し振りにまっとうなアイドルビデオの感触でありやす。ビキニを含み水着率も非常に高く、構えずに楽しめる。ウエストのくびれが目立たないローティーン体型は、好きな人にはたまらないモノ。そう、観て楽しむだけが平和です。この年ごろは。下手に触るとつかまるから(笑)。

 途中に入るシャベリ部分は全くのガキんちょトークだが、まあ、撮影時12と13歳なので、下品と言うより元気な子供レベルでまとまっている。教会での制服シーン(キリスト像を観せてから、何かザンゲの言葉…音声聴こえず…を呟く場面有り)や、室内でお互いに化粧をし合うシーンも挿入され、幻想的な湿度を感じさせてくれる。元気一辺倒では終わらせず、小技を効かせた所は丁寧な造りをも思わせて良い。

 お勧めは、サマードレスを着たまま、これ又互いの髪をシャンプーする場面。「着衣シャンプー」は、特に目新しいアイディアではないが、まず楽しそうだし、少女ならではの色気と言ったものも香り出ており、秀逸なシーンになった。

 後は女の子の好みだけれど、一つ年上の三津谷は(衣装がキャミソール型中心)いかにも今の娘っぽいルックスにサバサバした言動。どちらかと言うと女の子に好かれるタイプか。『蒟蒻(こんにゃく)畑』CM、ピンで写真集をリリースしている奈良は、目の大きいタヌキ顔。見た目は典型的なアイドル顔で、ファンの喰い付きも良いタイプだろう。しかし決して大人しくはない(笑)。東京FM系『しんドル』でも分かるように、たとえハズしても受けを狙おう、笑いを取ろうとする積極性を持っている。ルックスとのギャップは大きく、面白い奴と思わされれば、そのままズルズル引きずられそうである。ピュアガール周辺は要注目であろう。

 ところで、年配の女性がジャコウネコ系の甘い匂いの香水を好むのは、男性との接触が減り、その香(恐らくフェロモン)に触れる事が減ってくるので、それを補う為である、という俗説がある、この説でいくと、今回のようなビデオが気に入るのは、自分の中の「十代成分」が減少して来てる、オジサン化が進んでいるとゆー、淋しい話につながってしまうが、ま、可愛い娘はいいのだ! とマズイ点には目をつぶっておきましょう。筆者なども「十代成分」は大分足りなくなったので、大変気に入りましたとも。ええ。

 巨乳グラビアアイドルの水着に飽きた人にもお勧めしたい。海でプールでチャイドル年代の娘の水着爆発は一見の価値がある。ナマコ踏んだだけであれだけはしゃげるのも、この年代ならではでしょう。このストレートさが、近年になく新鮮でありました。

 と、ここまで書いた所で、松本恵が自立神経失調症、ノイローゼ状態で引退とのニュースが! 本稿が載る頃には事態はさらに動いているだろうが、野島ドラマ『世紀末の詩』がラストになりそうな気配だ。同ドラマ内で小田エリカ19歳は、いきなりヌードになっちゃうし、なんだか最後まで気の抜けない展開の98年である。また来月。

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