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2008年5月号掲載
written by 桑原ナオミ

サクラサク(はず)@赤坂

 『おっきくなぁれ。』ー読者諸君は、この言葉を聞いて一体何が”おっきく”なるとお思いになるのであろうか。身長?庭のヒマワリ?それとも呪文を唱えると巨大化する何か?その答えは…女性の胸。おぱいである。近所の某薬局で半額になっているのを発見し、思わず購入してしまった『マンゴーくず湯ゼリー おっきくなぁれ。』。何でも葛の成分がバストアップに効果があるらしく、健康ドリンク感覚で気軽に摂取できることからあの押切もえ嬢も愛飲している一品だとか。通常価格は130ミリリットル入りで229円と結構お高め、半額シールが付いていなければ目にも留めなかったであろう。しかしこの商品を購入するということは、自分の胸に満足していない、つまりはミニチチであるということをカミングアウトするも同然の行為に他ならない。手に取っても会計するのもそれなりの勇気と「ミニチチですが、何か?」的な開き直りが必要であったわけだが…。飲んでみた感想としては、きちんとマンゴー果汁が入っているし葛湯独特の風味も無く、飲みやすくて結構美味。しかし肝心のおっぱいに関しては、未だ巨乳になる予感も予兆もまるで無し。日本の住宅事情を考慮した控えめなおっぱいのまま、2008年の春を迎えようとしている桑原であった。

 で。日本の春といえば桜である。都内の桜の名所といえば千鳥ヶ淵や上野公園などが有名だが、この春、赤坂に新たな桜の名所がオープンすることを、読者諸君はご存知だろうか。

 3月20日に全面開業する〈赤坂サカス〉は、既存のTBS放送センターと、オフィス・商業ビル『赤坂Bizタワー』、賃貸マンション『アカサカ・ザ・レジデンス』、劇場『赤坂ACTシアター』、ライブハウス『赤坂BLITZ』などを有する、大規模再開発計画により誕生した大型複合施設。その一画に、地名の通り”坂の街”である赤坂のなごりを感じさせる〈Sacas坂〉と〈さくら坂〉があり、2つの坂に沿って約100本もの桜の木が植えられているとのこと。HPなどには桜の種類も様々なため3月上旬から5月上旬まで様々な種類の桜が楽しめる…とも謳われている。初物好きの桑原が行かずして誰が行く。そして3月上旬の某週末、一足早く桜を堪能すべく桑原は一路赤坂へとむかったのである。

 地下鉄千代田線赤坂駅。先行オープンしている『赤坂Bizタワー』直結の3番出口の改札を出ると、エスカレーター脇の壁面に描かれた日本画家・千住博による桜の絵画がお出迎え。何やらテンションが上がりますなぁ。エスカレーターを上りきると、その先にはディスプレーを埋め込んだ大階段〈Media Stairs〉が。実際に昇降できる階段に次々と映像が映し出されていく様はけっこう圧巻。宝塚歌劇団で導入したら盛り上がりそうな設備である。ケータイの動画モードで撮影している人多数。ガキどもも大はしゃぎである。そして更にその階段を上ると地上となり、左手には『赤坂BLITZと』『赤坂ACTシアター』、右手には〈Sacas坂〉、正面には〈さくら坂〉が。って…あれ?確かに坂に沿って桜の木はあるものの、花どころか蕾すら見当たらず…。それに加えて人の姿もまるで無く…。『赤坂Bizタワー』内の商業エリア『赤坂Bizタワー SHOP&DINING』がオープンして最初の休日だというのになぜこんなに人気(ひとけ)が無いの?桑原、もしかして…ヘタこいた?ちなみに東京の桜の開花予想は3月下旬とのことなので、桜を楽しみたい読者諸君は是非その時期に…
 
 どうやら先走り過ぎてヘタこいたらしい桑原、色んな意味で冷え切ったココロとカラダを温めるべく、『赤坂Bizタワー SHOP&DINING』へ。それなりに人はいるものの、オープン初週末にしては混雑していない。しっかりしろTBS!『赤坂離宮』『ざくろ』など赤坂の老舗店から、『マキシム・ド・パリ』の新業態店、オフィスワーカー向けのコンビニや薬局、TBSの関連商品を販売する『TBSショップ』など全46店舗。まずは一ツ木通りと赤坂通りをつなぐ〈仲通り〉エリアへ。ヨーロッパの街角系というか、少々幅の広い川崎のチッタ・デッラというか…。最近このテの”なんちゃって欧風”多過ぎ。

 〈仲通り〉を抜けると、高級フレンチレストラン『マキシム・ド・パリ』によるビストロ『ヴィエイヌ・ヴィーニュ マキシム・ド・パリ』とワイン&カフェバー『コート・ド・ルージュ』、ブーランジェリー『ル・ブーランジェ ドミニク・サブロン』が入った建物が。

 『ル・ブーランジェ ドミニク・サブロン』はパリで人気のブーランジェリー(要はパン屋である)の日本初進出店ということで、初物好きとしては是非押さえておきたい店だったのだが、店頭には一枚の貼り紙が。「本日は17:00より整理券をお持ちの方のみの販売となります…」。パン屋に入るのに整理券!?あ、あり得ない…。日本初だし、食べてみたかったのにぃ〜!ああ、本日2度目の”ヘタ”…そして。2度あることは3度あるのが世の常というもの。タワー2階にあるチョコレートケーキでお馴染みの『トップス』で他店ではまだ扱っていない新作ケーキを発見。しかしホールのみの販売でお値段420円。高いぃ〜。買えないぃ〜。いくら限定でも新作でも4200円。高いぃ〜。買えないぃ〜。いくら限定新作でも4200円は高過ぎる。カット売りしてくれー!温まるどころかますます冷えていくココロとカラダを癒すべく、タワー地下1階の『デリフランス』で休憩。一応山崎パン系列だけにフランス産発酵バターを使用したクロワッサンやサンドイッチ、ペストリーなどそれなりに美味だったが、「注文を受けてから調理する」がウリの〈バイ・オーダー〉というサンドイッチが既に出来あがっているものをレンジでチンして出すだけだったのには愕然。何がオーダーじゃ!コンビニの弁当じゃねえんだぞ!!ダブルソフト食って出直してこい!!!

 桑原とはどうにも相性が悪かった〈赤坂サカス〉だが、グランドオープンの3月20日には〈サカス・オープニング・フェス〉と題してTBSの5つの生番組による13時間半ブチ抜きの公開生放送が行われる予定。TBS、必死ですなぁ〜。更に地下鉄六本木駅隣接ながら実は住所は赤坂の『東京ミッドタウン』と提携、双方を行き来できる無料シャトルバスを運行しお花見イベントなどを開催、赤坂地区の活性を図るとのこと。

 しかし。桜、パン、ケーキ…。桑原にとって何ひとつ「咲かす」ことができなかったこの地には、全面開業しようが桜が咲こうが、再び訪れることはない…気がする。

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