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#135ばんがいち2006年5月号
written by 華戸小葉子

内村Pのノープラン、今頃ラストアルバム発売。exハイロウズ真島昌利提供『大丈夫』は名曲。演奏は久々フラワーカンパニーズ。
【SMILES】堂島孝平
1. スマイリン ブギ
2. LUCKY SAD
3. てんでバラバラ
4. Hello,Hello
5. アーリーモーニング
6. 梅雨前線
7. ちびっこ探偵
8. 愛それは一瞬の出来事だった
9. あとからおいで #1
10. スマイリー、月へ行く
11. こんがらがった夜のムード
12. So She,So I
13. キライになれない
14. あとからおいで #2
15. 熱く君を愛す

total time 60'12"

 18でデビューし今年で30。なんと12年のキャリアである。思わず干支もひとまわりである。今作はがらっと趣向を変えて、曲ごとに演奏形態が異なっている。ここのところゴーゴーキングレコーダーやハイテンションプリーズ!といったバンドとライヴもレコーディングもといった調子だったのだが、折角のソロシンガー、色んな人とやった方がいい、と本作で確信した。とはいうもののGGKRファンとしては半分泣いてますが。バンドメンバーはバラしてそれぞれの曲に参加。歌詞は前作まじめだった分ハジけまくり。(12)なんか悲しい曲なのにダ洒落だもんなあ。(10)(11)とたたみかける展開もかっこ良い。これはバンドを経験したからこそ成せる技なのか?どんな過去も無駄にはしないぜ、たとえ悲しい思い出でも(←そんな箇所はない)。
徳間ジャパンコミュニケイションズ TKCA-729821 \3000 2006/2/22
【虹色ナミダ 】奥村愛子

1. 恋の嵐
2. 虹色ナミダ
3.くちびるセクシー
4. もう一度マリンブルー
5. Nice Nice
6.恋はここから
7.恋したい♥
8. Lovephobia
9. 銀色の雨
10. あなたのピラフ
11. ベランダの向こう側
12. 恋したい♥(Brassless Version)
13. (エンハンスド)Special Photo Collection

total time 51'25"

 日本のビッグバンド好きを熱くさせる奥村愛子、またもや登場。今回は自作に加え、あのつんく♂や売野雅勇+筒美京平ペア等夢の作家陣を大胆投与。だがいずれもあざとくならず、彼女の魅力を引き出す事に成功している。決して企画に負けてないのだ。ヴォーカリストとしての自信か。歌い方は既に完成されている様で、新たにウイスパーヴォイスに挑戦したり(これも色っぽくなり過ぎずいい感じ)かと思うとアレンジの先生から「もっとハネた感じで」と言われたのに逆らってみたり。自分の進むべき方向に迷いがなさそう。正に脂がのった時期に突入か。ずっとやってたイラストのジャケもやめ、素顔で勝負している(厚化粧も似合いそうなんだけど)。(3)のバンドスコア付。ブラバン注目。タイトル「セクシー」だけど。
EMIミュージックジャパン TOCT-25870 \2800 2006/2/15
【キングスロード】 ORIGINAL LOVE

1. ヒット曲がきこえる
2. 恋の片道切符
3. タッチ・ミー
4. きみのとりこ
5. さよなら、ルビー・チューズデイ
6. ダウンタウン
7. 青い鳥
8. Be My Baby
9. 青年は荒野をめざす
10. エミリーはプレイガール

total time 33'15"

 濃厚と書いてオリジナルラヴ田島貴男と読む。というのは勿論冗談だが、特濃男田島(まだ言ってる)、ここへきて突然カヴァーアルバムの発表である。しかもほぼ洋楽なのに(8)以外日本語。今時珍しい、いや一回りして逆に新しいかも。(2)を平尾昌晃がやはり日本語で歌ってたのは、カナダからの手紙よりだいぶ前。田島はそのままではなく、スカ調にアレンジしてちゃんと今仕様にしている。よく洋楽に日本語詞をつけるとグルーヴ感がなくなると言われるが、これだけ古い曲だと日本語も英語もかわらない。むしろ歌詞が伝わるだけ日本語の方がおトクかも。それに唯一邦楽カヴァーの(9)。フォーククルセイダースである。洋物(それも超有名曲がほとんど)の中にあって浮いていないのは見事。フォークルの実力か田島の歌唱力の勝利か。どっちも、にしておこう。
ロッカールーム PCCA-02218 \3150 2006/1/18
【108DREAMS】 キャプテンストライダム

1.サイボーグ
2. キミトベ
3. フランクフルト
4. バースデー
5. 十五夜
6. 悲しみのシミかな
7. マウンテン・ア・ゴーゴー・ツー
8. GOOD HARVEST
9. メトロのメロス
10. 流星オールナイト(album edit)
11. 泣きそうに見えるけどオレは今笑おうとしてる

total time 45'58"

 ある秋の日、旅先のHMVの視聴機でこいつらに出会った。当時デビューしたばかり。だのにキャッチーとは何か、どう音を展開させたら気持ち良くなるかを知りつくしたかのような楽曲の数々。松本隆exはっぴいえんどのレーベル、風待レコードより春一番に乗って登場(ウソ)。宮崎・熊本・秋田の3人男が何故か栃木で結成。ヴォーカル&ギターの永友聖也(いい名前だ)だけのこ2月で30代。でも田舎も都会も、男も女も、老いも若きも関係ない。聴けば誰でも理解出来る、そして感動出来る筈。聴いても良いが、歌うと更に良さがわかる。こないだカラオケで発見した。ただし電車の中で聴く時は、うっかり口ずさんでしまわない様注意だ。作詞を外部依頼しているものもあるが、永坂の詞の方がへんでいいと思う。
風待レコード   AICL-1703 \2854 2006/2/15
【WATERMAN】 リトル・ビッグ・ビー
1. Scuba
2. You&M
3. High Clouds
4. Calypso Blues
5. Story Still Continues
6. Swirl Note
7. Kayak
8.Solitude
9. Waterman
10.K.G.O.
11.Mousetache

total time 68'33"

 静かなアルバムである。派手さには欠けるかも知れない。しかし、インパクトのある音楽を作るのは実はそんなに難しくない。急に爆音出したり、衝撃的な単語を連ねたりすれば良いのだから。静かで尚かついいもの。しかも癒し系などではなく、心でリズムを刻めるもの。まず子どもでは無理だ。大人でも、色んな音楽を極めてきた人でないと(結構大変)。ベテラン高宮永徹、自分のレーベルよりリリースである。恐らくだが、本人が一番聴きたかったタイプの一枚ではないか。巷になけりゃ作るしかない。作れる人はいいなあ。音楽素人でも、頭の中に「本当に聴きたい曲」は鳴っているものだと思う。メロディでもアレンジでももっと漠然としたものやもやもやっとした状態でも。そしてそれを形に出来ない人間は、探すしかないのだ。例えばこれを。
Flower Records  FLRC-043 \27090 2006/1/25


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