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#047 ばんがいち1998年12月号
written by 華戸小葉子

今更ながら私がハマってしまったもの、それはミッチー。しかも音楽性の方には全く興味なし、そのキャラのみが楽しみ?。
【プレイボーイ・プレイガール】ピチカート・ファイヴ
1.不景気
2.ロールスロイス
3.インターナショナル・ピチカート・ファイヴ・マンション
4.新しい歌
5.ウィークエンド
6.不思議なふたつのキャンドル
7.コンチェルト
8.きみみたいにきれいな女の子
9.プレイボーイ・プレイガール
10.大都会交響楽
11.テーブルにひとびんのワイン
12.華麗なる招待
13.美しい星

total time: 58'04"

 多分日本で一番沢山レコードを聴いてる男の一人、小西康陽。前作はその名DJぶりがストレートに出た、もろクラブテイストなアルバムだったが、今回は再び歌モノである。テーマはずばり"野宮真貴と○○"。○○にはTVジーザス有近真澄、池田聡、コレクターズ加藤ひさし、コーザノストラ鈴木桃子(アイウエオ順)等。様々なデュエットorコーラスバトルが繰り広げられている。野宮サンの声って意外と色んな人とハマる。コーザの歌姫桃子サンとの(8)は特に聴きもの。あと全編に細川"ワールドオブエレガンス"俊之の語りがはいっているのも嬉しい。しかし音楽を聴きつくしてしまった人間の作る曲は、なんてもの悲しいんだろう。たとえ明るくハッピーなメロディであっても。あきらめゆえの幸福感。小西も、良くも悪くも大人になってしまったようだ。
レディメイドレコーズトーキョー COCP-30054 \3059 1998/10/21

【ザイマー】嶺川貴子
1.MILK ROCK
2.TELSTAR
3.BLACK FOREST
4.INTERNATIONAL VELVET
5.CLOUD CUCKOO LAND
6.PHONOBALLOON SONG

total time: 32'36"

 ミネカワタカコの新譜はリミックス集だ。一曲目、コーネリアスの「スターフルーツ・サーフライダー」かと思ったらリミックスはもちろん本人だった。ラストの曲も竹村延和の「こどもと魔法」かと思ったら本人…。でも、こういうのが聴きたかったんだ。これまで散々色んな個性派集団と氏ゴオをしてきたミネコにとて、今回が一番の大物だろう。改めて、誰にもつぶされない彼女のオリジナリティが感じられる。日本のウィスパーヴォイスの双璧といえばカヒミ・カリィだろう。すっかり女になった。昔は弱っちそうだったのに、たくましく成長した。ミネコはまだ少女のまま。しかしこちらは前からずっとタフ。ちっちゃいのに。出来ればこのまま大人の女なんかならずに、無邪気でたくましい少女でいて欲しい。なんか10年後もルックス変わらなそうな気もするし。
ポリスター PSCR-5710 \1529 1998/09/23

【Nature Vision】Soul Bossa Trio
1.Rain Flow
2.You and I,together
3.RIO
4.Message of love
5.Freedom Calling
6.Rising
7.How Insensitive
8.Tell me a bedtime Story

total time: 35'59"

 前回ソウルボッサのライヴに行ったら、驚いたことに客の殆どがフュージョンファンだった。多分日本で唯一、クラブミュージックとフュージョンをクロスオーヴァーさせる男、ゴンザレス鈴木。今回はゲストにミナコ・オバタと渡辺香津美(!)を迎えている。加えて前作よりハウス・ファンデーションのDJ・松本浩一がメンバーに(別にソウルボッサがハウスやる訳じゃないけど)。ありがちなクラブっぽいのでもなければ今若い子には一番ダサとされている80年代フュージョンにも行かない。メロがフリーソウルでベースラインがフュージョンはいってたりする。面白い。どこがボッサでトリオなんだーという突っ込みはこの際おいといて。こういう曲でこそ踊りたいので、次のライヴ(99年1月)はオールスタンディングで頼みますよ。
ワイルドジャンボ TKC-71453 \3059 1998/09/23

【プラネット・ヘッドフォン】LaB LIFe
1.OPENING AIR
2.エレクトリック
3.NEW ORDER
4.ステレオ(アルバム・ヴァージョン)
5.ふたりで出かけよう
6.DIE OUT 1699477-17
7.ホーム*ルーム
8.風が吹けば鳥も飛ぶ
9.砂の上
10.Piano
11.Park
21.ステレオ(Reconstructed No.3)

total time: 51'12"

 噂だけど、こいつらライヴでフリッパーズギターの「恋とマシンガン」やたらしい。どこか似てるって? 全然ネオアコじゃないじゃん。スペイシーすなわちモンドじゃん。ビデオクリップ"ロケ地・NASA"じゃん(本当)。ラブライフの名前自体どうかと思うじゃん。これが1st。やりたいこといっぱい。やんちゃで人をなめてるようなセンスは、ジャンルこそ違うがエル・マロの初期を思い起こさせる。シングルはまだわかり易いがアルバムになるとタイトルからして訳わからん((6)(8))。何故かかの香織も手伝ってる。そういや小山田(元パーフリ)と同じとこが一つだけあった。(11)の次が(21)なのだ。ちなみに小山田は(69)(96)だが。来たるべき21世紀に向けてのメッセージか!? このまま行けるところまで行っちゃって下さい。宇宙へでも。
ネオサイト ESC13-1910 \3059 1998/10/01

【ミュージック・ノン・ストップ〜ア・トリビュート・トゥ・クラフトワーク】V・A
1.モデル(1998リミックス)(ヒカシュー)
2.コンピューター・ラヴ(中野テルヲ)
3.アウトバーン(バッファロー・ドーター)
4.タンツムジーク(山下康)
5.放射能(ヒカシュー)
6.ショールーム・ダミー(MELT-BANANA)
7.アテム/ハルモニカ(松前公高)
8.電卓(TSUKUBA MIX)(ヲノサトル フィーチャリング・明和電機)
9.セックス・オブジェクト(ZENI GEVA)
10.コンピューターはボクのオモチャ(石野卓球)
11.ミュージック・ノン・ストップ(福間創)
12.ヨーロッパ・エンドレス(井上誠)

total time: 59'10"

 クラフトワークが出た頃のテクノと今言うところのテクノって、クラシックと演歌ぐらい違うものになっている。これは昔のテクノを今に伝えるアーティスト(notミュージシャン含)達によるトリビュートもの。(10)の石野卓球なんて、ソロは今時のテクノしてるんだけど電機グルーヴはカッコ悪いとこがカッコ良い、ってのもあるもんね。すでに80年代にクラフトワークのカヴァーをやってるヒカシューの(1)。ヴォーカルの巻上公一はこのアルバムのプロデューサーでもある。そして実は平成のクラフトワークって(8)の明和電機じゃないだろうか。ステージ上の動きも無機質な衣装も表情も。明和の経理と音楽部門担当・ヲノサトルが上手いことやっている。ジャケには今年の大賞をあげたい位。中も素晴らし。それでは「お好みの音量でお楽しみください」((12)井上誠)
東芝EMI TOCT-10455 \2548 1998/09/23


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