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#032 ばんがいち1997年9月号
written by 華戸小葉子

最近オモロいトリビュートが多いね。「トッドは真実のスーパースター」は全30曲(1曲3分以下)! 聞き応え有り。
【HAPPY END OF THE WORLD】ピチカート・ファイヴ
1.世界は1分間に45回転で廻っている
2.地球は回るよ
3.トレイラー・ミュージック
4.イッツ・ア・ビューティフルデイ
5.愛のプレリュード
6.愛のテーマ
7.マイ・ベイビー・ポータブル・プレイヤー・サウンド
8.モナムール東京
9.衝突と即興
10.ポルノ3003
11.アリガト・ウィ・ラヴ・ユー
12.私の人生,人生の夏
13.ハッピー・エンディング

total time: 62'36"

 なすみそいためは時として傑作を生み出す。かつて中野裕之は、なすみそいためをご馳走になってディーライトのビデオクリップを作った。今回のピチカートのそれは福富幸宏である。危なげな天才・小西康陽を共同プロデュースという形でサポート。いい腕してます、料理だけでなく。だからトワエモアのカヴァー(2)や奥様は魔女(3)(ナレーターは本物!)やっても少しも狙ったなとは思わせない。しっかりピチカートしてます。野宮真喜ファンはインスト多めなのでちょっとがっかり?でも、このアルバム1枚が60分のDJショウたるには必要なことだったのだ。昭和歌謡(8)は昔のスカパラっぽいかも。両方ともいしだあゆみがバックボーンにあるからなー。(9)は夏木マリの語り。(12)はカヒミ・カリィのセルフカヴァー。名曲である。泣けるピチカートってのも初めてでは。
日本コロムビア COCA-14242 \3059 1997/06/21

【スーパー・ハート・グノーム】エル・マロ
ディスク: 1
1.イントロ
2.これでお終まい
3.ベル・ボトル
4.お化け列車に乗って
5.クラッカー
6.夜のパッチーズ
7.日沈賛歌
8.和楽全
9.カラー
10.くたばれハートグノーム
11.追跡

ディスク: 2
1.アイスクリーム
2.イタチごっこ
3.ポゼッション
4.幾つかの歪み
5.…
6.宙返り
7.ノッド
8.Dは82
9.間違い捜し
10.エコーはしどろもどろ
11.怒りのリベゴン
12.胸を刺した痛み

total time: 91'07"

 エル・マロはもっと売れなきゃいかん! そう思ってるのは私だけではない筈。最近の話題としてはピエール瀧率いる野球チーム"ピエール学園"に参加。ボロ負けしたけど水島新司に遭遇、なんてのもある。『ドカベン』で彼らの姿を見る日も近いぞ。それはともかく、4枚目にして2枚組のアルバムである。小山田、電グルといった大物達といい仕事をしながらもスピード等トイズの後輩に抜かれ続けている彼ら。月カドで小山田君に質問している場合じゃないっす。今回は1st・2ndの混沌(個人的に好きだけどさ)も3rdの渋さも経て、2枚組にふさわしい集大成となっております。円熟するにはちと早いが。ギャル人気が高そうだがぜひ男に聴いて欲しい。ともさかともアクシアで競演したし。8.30には今年もやります真夏の祭典、ナチュラルハイ'97にも出るし。
トイズファクトリー TFCC-88101-2 \3780 1997/08/01

【サイケ・デリシャス〜Char・トリビュート・アルバム】V・A
1.ユーアー・ライク・ア・ドール・ベイビー(スティーヴィー・サラス・カラーコード)
2.ゲット・ハイ(ICE)
3.空模様のかげんが悪くなる前に(野村義男)
4.気絶するほど悩ましい(藤井フミヤ)
5.ウッデュー・ライク・イット(川辺ヒロシ~フロム・TOKYO No.1 SOUL SET)
6.闘牛士(カールスモーキー石井)
7.逆光線(高橋克典)
8.ドライヴ・ミー・ナッツ(久松史奈)
9.ユー・キープ・スノウイン(Pata)

total time: 38'13"

 今30前後の人ならたいてい、ロック御三家の中にひいきがいるだろう。チャー(本名・竹中尚人)、当時は"小枝"のCMに出ていた。今はあの人だが。これはデビュー20周年記念トリビュート。20年間もルックスが変わらないのも不思議だが、彼の作ったレーベルにソウルセットがいるのはもっと謎だ。おっと、このアルバムはポニキャンだった。でも、レコード会社に関係なくいかにもな人達が集まってきている。ちなみに私は(2)ICE宮内、(3)のヨっちゃんと同い年である。チャー世代なのね。そんな元ギター小僧達から、前にチャーとユニットやってた(今は廃盤か?)(6)カールスモーキー石井、前出の理由で(5)ソウルセット川辺。更に海外からのお客様、(1)スティーヴィー・サラス。他も皆大ファンなんだろうなぁ。全38分なんでもっといっぱい入れてもっといっぱい聴きたかった気が…。
ポニーキャニオン PCCA-01112 \3059 1997/06/18

【Very Short Songs For Everyone Who Can Recognize The Differense Between Doing This And Doing That】pate
1.タイダル・ウェイヴ
2.ウォーク・ザ・ドッグ
3.グッド・モーニング・サンデイ
4.メロウ・メロウ
5.ワープ・ドライヴ
6.カウント2.9
7.サニー・デイ
8.ルナー・ループス
9.ウェイク・アップ・トゥ・ブレイク・アップ
10.ウィンディング
11.スリー・リーフ・クローヴァー

total time: 39'15"

 カジ君が売れている。あの小山田に「僕はカジ君みたいに売れなくていいし」と言わせる位売れている。で、なのかどうかは知らないが元ブリッジ、続けさまのソロ・デビューである。おそらく日本一長いアルバムタイトル(山崎さんすいません)をひっさげての登場は、ペイトこと大橋伸行。コーラスで元ボーカルの大友真美が参加。他にシーガルやニール&イライザ、スーパージャンキーモンキーらもいるけど。ところがこの大橋大友のバランスがいいカンジ。私がブリッジのどこが嫌だったかっていうと、ヴォーカルができすぎてるというところだったのだ。それがワキで支えている。もともと優れたポップミュージシャン集団だったのが、1人になって羽をのばしている。きっとそう。尚タイトルが長い分、中はちょい短めの39分+αになっております。
ビクターエンタテインメント VICL-60048 \1890 1997/06/21

【Hawaiian Pure Heart】Petty Booka
1.ビキニ・スタイルのお嬢さん
2.マイ・ハピネス
3.君は完璧さ
4.月の夜は
5.ホノルル
6.陽だまりで歌えば
7.夢みるナンバーワン
8.ちょっと待って下さい
9.プカプカパンツ
10.フジムラストア
11.バリバリの浜辺で
12.バイヤ・コン・ディオス
13.街で踊れば

total time: 44'35"

 インディー時代から話題爆発、NHKBSやクボタのCMにも出ていた彼女達がついにメジャーデビュー! ちなみにシスターレコーズのマークってラムちゃんぽいです。ペティとブーカは、同じ名前でウエスタン調「フジヤマ・ママ」等もやっていたが、折からのウクレレブームに乗って持ちネタの一つであるハワイアンで来た。ここから回想モードにはいる。日曜日になるとうちの父は決まってクラシックとハワイアンのレコードをかけていた(実話)。私にとってのハワイアンとは日本人が歌っているものなのである。私でなくともハワイと言えば日本人の一番身近な外国。それでカルチャークラブやブロンディやられた日にゃたまんない。クィーンズ・オブ・カバーガール! (5)の対訳は、小西康陽の(彼の本に載ってます)と比べてみるとまた一興。やっぱ彼女達の方が明るい感じ。
シスターレコーズ CRCS-1001 \2650 1997/06/25


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